ケアマネになってみて、想像していなかった仕事がありました。
ケアマネ資格の勉強や会社のケアマネの仕事を見てきましたが、全然ちがった 笑
この記事では、「これってケアマネの仕事なの?」と疑問をもった仕事を3つご紹介します。
警察から身元引受人の依頼

「ケアマネに身元引受人の依頼ってあるの?」と思うかもしれませんが、実は時々あるんです…
例えば、利用者が万引きや近所トラブルなどで、警察にお世話になったとき。
僕の場合は、万引きで連絡がきました(-_-;)
警察からケアマネに連絡が来る場合、ほとんどが身寄りがないか、後見人がついていない場合です。
警察に迎えにいくと、必ずといっていいほど身元引受人の書類にサインを求められます。

サインを求められても、基本的には任意ですので断ることもできますよ 笑
警察署でやること
利用者を迎えに行くと、身分証の提示をして下さいと言われます。
マイナンバーカードや免許証など、顔写真付きで公的なものだと1枚でOK。
顔写真付ではない証明証は、健康保険証と社員証などの組み合わせが必要な場合があります。



自宅の住所をメモされるので、何も悪いことをしていないのに何だか嫌な気持ちになります
警察では、利用者さんの生活歴や関係性を聞かれます。
「認知症?」
「普段から万引きはしている?」
「周りの住民は何て言っているの?」
と、矢継ぎ早にどんどん質問が飛んできます。
それら全てに答えてから、やっと利用者さんを連れて帰ることができます。



時間にして大体1時間くらいです。
のごりの体験談
まだケアマネになりたての頃、警察から市役所と地域包括支援センター(以下、包括)に、「○○○さんが万引きをしたので引き取りに来てほしい」と連絡が入りました。
市役所と包括から僕に連絡がきて、「警察から連絡があったので、担当として迎えに行ってほしい」と依頼があり…
「市役所と包括は迎えに行けないんですか?」って聞いてみました。
そしたら「規則でそういうのはできない」と言われ・・・



「規則ってなんやねん!こっちもケアマネの仕事で警察署までの迎えなんてないわ!」と心の中で叫び続けましたよ
三者で話し合った末、介護サービスも使っているし、迎えに行くのも信頼されているケアマネがいいだろうという結論に。
上司にも確認したけど(行きたくないから)、「ケアマネが迎えに行ってはダメってことはない。経験だからやって」と言われ、しぶしぶ警察に行きました。
引き取ったあと
警察でやることをやって、利用者さんを無事に警察から引き取れました。
ただ、そのまま自宅に帰るわけにはいきません。
市役所と包括の人に相談し、一旦ショートステイに入ってもらうことに。
再犯の可能性があるためです。



警察からも自宅にすぐ帰さないでほしい、みたいなことを言っていましたよ。警察も慣れていますよね。
利用者さんのお金の管理


「え、お金の管理…」って聞くと責任重大に聞こえますよね(;^_^A
利用者さんの中には、生活費を計画的に使えなくて家賃やライフラインのお金を支払わず、浪費する方もいます。



お酒やタバコなど、好きなことに使っているケースが多いですね
そういう方達のほとんどが、身寄りがいない、絶縁状態や後見人が付いてない場合です。
なので、誰かがお金の管理をしないと生活が成り立たない状況になります。
こういったケースは、後見人が付くまでは市役所と包括、ケアマネが一緒に管理をすることが多いです。
その場合、期間(後見人の申し立てをして、付くまでの間)を設けて市役所や包括と一緒に管理します。
絶対に単独では行いません!
問題が起きた時に個人の責任になってしまう可能性もあるためです。
自分の身を守るためにも市役所と包括と一緒に動くことは重要!



本当は、権限も法的根拠もないのでやってはダメなんですけどね
食費と家賃の確保
食費や家賃まで使ってしまう利用者さんは多いもの。
この2つは生活に絶対必要なお金なので、お金があるうちに確保します。
年金や保護費が入る日を狙い、市役所と包括と連携して、朝早くから自宅に突撃 笑



大体の利用者さんは不機嫌になりますが…
利用者さんを確保したら、一緒に銀行や郵便局に直行!
基本的に家賃は振り込みで支払いますが、カードがない場合は通帳でお金を下してもらい、現金書留で家賃を支払います。
現金書留の控えを本人に渡すと、すぐに失くしてしまう可能性が高いです。
なので、市役所と包括と相談をして本人の同意を得てケアマネが預かることが多いです。
食費は、最低限度の額を本人に渡し、介護サービス事業所や配食サービスの利用料に回します。



大事なのは、本人の同意のもと、本人と市役所・包括・ケアマネが一緒にやって記録に残すこと。トラブル防止策です!
のごりの体験談
月1回の定期訪問で自宅に行くと、利用者さんから「もうお金がないからどうしよう」と相談され、正直とても焦りました…



家賃や水道光熱費、食費、介護サービス事業所に支払うお金をどうしたらいいのか、頭の中が不安でいっぱいに
ケアマネがお金を工面するわけには行かないので、市役所と包括に相談しました。。
そしたら、災害時用の非常食で消費期限切れが近い現物が支給されました^^;
もちろんそれだけではすぐに底をついてしまうので、さらに踏み込んで相談・・・
結果、介護サービス事業所に昼食だけではなく、夕食の提供を依頼することになりました。
普段やっていないサービスなので、サービス事業所からするとすっごい迷惑な話です(-_-;)
それでも、そのサービス事業所は事情を知ると、なんと夕食の余り物からいくつか本人に渡してくれました 涙



僕はこのサービス事業所が神に見えました 泣
お金が入ったら、利用者さんに付き添って銀行でお金を下ろしてもって、現金書留で送ったり、コンビニでの支払い手続きなどを行います。
すべての支払いが終わると、介護サービス事業所に迎えに来てもらい、そのままサービスを利用してもらいました。
現在は後見人が付いたので、やらなくても大丈夫になりました。
ゴミ屋敷の掃除


「ゴミ屋敷の掃除ってあるの?」と思うかもしれませんが、市役所や包括からの依頼で引き受けることもあります。



たまにテレビとかで、ゴミが片づけられなくて近隣トラブルを起こしたり、市役所ともめている人の映像が流れていますが、それと似た感じです…
そういう利用者さんに限って、物を大事にする傾向が強く、いざ掃除をしようとすると家の中に入れてくれません。。
しかし、掃除をしないことには生活もままならないし、介護サービスも利用できないので市役所や包括と一緒に説得し、大掛かりな掃除を行います。



※集合住宅に住んでいる場合は、大家さんや管理会社にも連絡を入れとくと、協力してくれることもあります
大掃除でやったこと
装備がとても重要です。
手袋と靴カバーをし、靴ごと入室
そして、利用者さんに出掛けてもらうか、一緒に掃除をするかを選んでもらいます。
大抵は一緒にする方を選びます
一緒に掃除をする場合は、一つ一つの物を利用者さんに確認します。
けど、如何せん物を大事にするので「まだ使える」「使う予定がある」と言って、なかなか前に進みません…



担当者だけで行う場合は、仕分けをこちらで行いますのでとてもスムーズ。
全て出し終わったら、床や壁、トイレ・お風呂、水回りなどを拭きますが、汚れがなかなか落ちないので大変です。
ある程度汚れが落ちたら、必要な物を中に入れて終了。
捨てる物はほとんどが粗大ゴミになることが多いので、事前に市役所の方に業者を手配してもらい、持って行ってもらいます。
のごりの体験談
冬の初め、包括からの新規依頼でアパートの一人暮らしでゴミ屋敷になっていると紹介を受けました。
「ゴミ屋敷か…」と少し嫌な気持ちもあったので、返答を保留していました。
けど、上司の鶴の一声で「新人だし、何事も勉強だから」と言われて押し付けられる流れで引き受けることに…
特定加算を取っているので、困難ケースを年に一回は引き受ける必要があります。
内心では「新人にやらせるなー!せめてもう少し場数を踏んでからにしてー」としぶしぶ納得はしましたが、心の中では泣いてました 涙
上司や先輩たちにアドバイスを求めると、次のものを用意するように言われました。
- 掃除に適した服装
- 手袋
- 靴カバー
- トング
- 軍手
- ゴミ袋
包括と市役所の担当者と現地で待ち合わせて、いざ開始。
想像以上の物の山と、何より臭いがすごかったです…
物を外に出す作業から始めましたが、利用者さんの抵抗があってなかなか進まず・・
説得しながら約3時間かけて物の仕分けが終わりました。



アパートの部屋が狭かったので助かりました 涙
物を仕分けしたら、床や壁、トイレ、風呂などを掃除していきます。
長年こびりついた汚れは落とすのが大変、てか落ちません!
一通り掃除を済ませたら、モノの配置を利用者さんと相談しながら整理。
外のゴミをまとめて終了となります。



終わった後は、自分の服にも匂いが染みつくので、会社に戻ったら直ぐに着替えました・・
【考察】これらはケアマネの仕事なのか?


正直なところ、ここで紹介したことは本来のケアマネの仕事ではないと思います。
ただ、断りにくいのも事実です。
市役所や包括から新規利用者を紹介してもらう関係もあり、断りづらいというのが本音。
利用者さんのお金の管理
ケアマネが利用者さんのお金を管理することはリスクが高く、責任を伴います。
時間がかかり、訴訟問題に発展する可能性もあるため、本来はやりたくない仕事です。
けど、やらなければ利用者さんの生活が成り立たず、介護サービス事業所にも迷惑がかかるため、仕方なく行っているのが現状です。
市役所や包括に後見人を早く付けるように働きかけることが重要かなぁって思います。
警察署への迎え
警察署への迎えですが、これも時間・気力が削がれます。。
でも、身寄りや後見人がいない利用者に対しては、ケアマネが対応せざるを得ない場合があります。
警察からの連絡も結構しつこいのでね・・
ゴミ屋敷の掃除
ケアマネは、家族や市役所、包括、介護サービス事業所、病院などから頼られる存在。
ケアマネ自身も介護サービスを利用しないと収入が得られないため、仕方なく対応しています。
書類作業が多いため、掃除に半日以上かかるのは大きな負担なんですけどね。
まとめ
ケアマネとして働いてみると、想像していなかった業務が多くありました。
断れるんだろうけど、実際は避けられません
ゴミ屋敷の掃除みたいに、本当にやりたくないこともあります・・
でも、これらの業務は本来の仕事ではありませんが、利用者の生活を支えるためだし、利用者さんが安全で快適な生活を得られたときは嬉しいもの。
これからもいろいろあると思いますが、関係機関と連携しながら日々奮闘していきたいと思ってます。